身近な商店でも使える ウェブ解析の技術【ウェブ解析が最強の学問である】
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なお、ちょっと黒い鈴木はnoteをご覧ください。
え~っと、本日の相談者は、八百屋の源さんです。
す。「こんにちは」
源さん「ああ、こんにちは」
す。「今日はどういったご相談で」
源さん「ほら、最近出来た大きなスーパー、あそこに客を取られてしまって、売上が落ちてしまってるんだよ、どうにかしてくれよ」
す。「それは、深刻な問題ですね。実際、どれくらい売上が落ちたんですか?」
源さん「そりゃ、もうべらんぼうな金額だよ。うちもな、スーパーの中のテナントとして入らないか、誘われたけど、断ったんだよ。隣にあった本屋はテナントで入ったけどな」
す。「べらぼうな金額というと、実際には出来る前の売上と出来た後の売上で説明して下さい」
源さん「そんなもん、覚えてねえよ」
す。「源さん、ちょっと裏口まで」
・・・・・・・・ バキ!ボキ!
す。「源さん、実際にはどれくらいの売上が落ちたのですか?」
源さん「月200万の売上が150万円まで落ちました」
注意事項
ウェブ解析士は、正確な数字報告が無いと何をするか解らない事がありますので、ご注意下さい(嘘)
す。「スーパーが出来る前は、1日何人くらいのお客さんでしたか?」
源さん「30人から50人くらいだよ」
す。「休業日は毎週水曜日で、月に25日の営業とすると、客単価2000円くらいって事になりますね」
源さん「ほ~、よく解るな、大体お客さんは2000円くらい買っていくよ」
す。「つまり、スーパーが出来た後は、1日辺り10人くらいお客さんが減ったという事ですか?」
源さん「そうだよ、よく解るな~」
す。「では、直接源さんのお店とスーパーに行って何が違うか見てみましょう」
源さん「おう、案内してやるよ」
ここまでのまとめ
ウェブ解析士なるもの、数字の分解が出来ないといけません。
源さんは1日30人から50人と言ったので、平均40人としました。月に25日の営業とすると、40✖25=1000 つまり1ヶ月間に1000人が買いに来てくれていた事になります。月の売上が200万ですので、200万を1000で割るとお客さんの平均購入金額である、客単価2000円が算出出来ます。
スーパーにて
源さん「なんだよ、何が福岡産トマトだよ、何が茨城県産ほうれん草だよ。こちとら、トマトは、トメばあさんが丹精こめて作ったトマトだよ。」
す。「ほ~、地元の農家から直接仕入れているんですか?」
源さん「ほとんど地元の農家から仕入れてるよ。その方が常連のお客さんは喜んでくれるからな」
す。「では、次に源さんのお店に行ってみましょう」
源さんの八百屋にて
す。「これがさっき言っていたトメさんが作ったトマトですね」
源さん「そうだよ、美味いぞ」
す。「でも、POPにはトマトとしか書いてないのですね」
源さん「八百屋なんて、こんなもんだよ。常連のお客さんは大体解ってるしな」
指示事項
ここまでで、この後、どんな対策を取ったかもうお解りですね。
POPに書くのは、トマトだけではなく
「トメさんが作った地元産トマト」と書いて、トメさんの写真をPOPにつけました。
他にも書けるだけ書くように源さんに指示を出しました。
1ヶ月後
源さんのお店は、近くに出来たマンションの奥様も購入に来るようになり、売上は月220万まで売れるようになりました。
まとめ
今回は、足りない情報を書いたとだけ捉えたのではいけません。
地元産の野菜というスーパーには出来ていない差別化を行えたと考えるべきです。
更に生産者である、トメさんの写真をつける事で安心感と親近感をお客さんに提供したとも言えます。
これは、トレーサビリティにも則っています。
トレーサビリティ
トレーサビリティとは、対象とする物品(とその部品や原材料)の流通履歴を確認できることである。
*Wikipediaより
近くに出来たマンションの奥様方を取り込めた事も売上増加の一因です。
マンションの住人を見て、年齢層や家族構成を確認します。
もし、比較的若い夫婦で幼い子供がいる家庭なら、出来るだけ安心して食べられるものを選ぶ可能性が高くなります。
その時に、トレーサビリティがきちんと出来ている事が重要になってきます。
恐らく、ここまで読んだ方の多くは、途中で解っていたと思います。
でも、実はこの方法は半分正解で半分間違いです。
テナントとして誘われたと源さんは言っています。
隣にあった本屋さんはテナントとして入ったとも。
つまり、大きなスーパーは本屋さんも入っているそれ相応の大きさのスーパーで、駐車場も完備されたところと判断するのが正しいでしょう。
かたや、源さんは八百屋ですので、駐車場もほぼ無いと予想出来ます。
大きなスーパーに行ってみれば解りますが、平日よりも土日の方が混んでいますよね。逆に小さな八百屋のような商店は土日よりも平日の方が活気がある場合が多いです。
源さんのお店は水曜日定休です。
ならば、水曜日定休を日曜日定休にしたら、どうでしょうか?
平日に駐車場の無い八百屋を利用するという事は、近所の奥様や仕事帰りのOLやサラリーマンが購入している可能性が高いと思いませんか?
なら、仕事帰りのOLやサラリーマンが利用しない日曜日に営業する事の方が効率が悪いと思いませんか?
また、源さんは客数を30人~50人と言っています。
30人と50人ではまったく数字が違います。30人は土日で50人は平日とも予想出来ます。
本当のまとめ
こういう事をウェブ解析士は知っていないといけない、という事ではまったくありません。
むしろ、知らない方が多いかもしれませんし、知らなくても良いのです。
大切なのは、与えられたデータから様々な仮説を導きだして、それを実践して確認を行っていく事が大切なのです。
言い換えれば、PDCAをきちんと回すという事です。
ウェブ解析士は、PDCAを回す事を最重要な事だと位置づけています。
ウェブ解析士の技術は、このPDCAを回す事を知っている事と、PDCAで行っていく事の優先順位を決められる事です。
だからこそ、ウェブ解析が最強の学問となっていくのです。
PDCAを回す事で、自らも更に発展していくからです。
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