温泉ソムリエの鈴木です。
「正しい温泉の入り方」で検索してみるとかなり間違ったことが書かれているものがあって驚きます。そこで本当に正しい温泉の入り方を解説します。
入り方は温泉によって異なる
結論から書くと「正しい温泉の入り方」は温泉によって異なりますし人によっても異なります。見も蓋もない言い方ですが事実です
「温泉は一種の薬です」なんて書いてあるところも多いのですが、薬なら人によって必要な容量も異なりますし、病状によっても異なりますよね。
だから絶対に正しい入り方なんて書くこと自体がおかしいことです。
よく書かれているのが下記のことです
- 温泉から出る時に洗い流さない
- カロリーを摂取してから温泉に入る
- 最初に身体は洗わない
- 長湯はしない。最初は5分から10分
これ全部、温泉によって異なります。
温泉は確かに薬ような効果を持っているところもあります。しかし中には体質によっては健康に悪い温泉もあります。
温泉施設・温泉宿によっては入浴方法はこうした方が良いと書いてあるところもありますが、それはあくまでもおすすめの入浴方法であったり効果が高い入浴方法であって、体質やその時の体調によって異なります。
温泉から出る時に洗い流さないは半分くらい嘘
上記でも書いていますが本当に洗い流さなくて良い温泉は実は半分も無いのでは?と思っています。
例えば塩素消毒を行っている温泉では温泉特有の臭いではなく塩素臭が身体につくことがあります。塩素系消毒剤って身体に良いですか?温泉成分が強いところなら塩素消毒剤よりも勝る場合もありますが単純泉なら塩素消毒剤が勝ってしまう場合もあります。塩素臭が酷いな〜という温泉では洗い流してから出ましょう。
また秋田県の玉川温泉のように洗い流すことを推奨している温泉もあります。
これは成分が強すぎる(酸性度が高すぎる)からです。もちろん体質によってはこれぐらい平気!という方もいるので絶対ではありません。
あくまでも体質重視で考えて下さい。肌が弱い方は温泉成分で逆に肌が負けてしまうことがあるので要注意です。美容のつもりが逆にカサカサになるということもあります。
特に酸性が強い温泉は気をつけてください。
肌が強い弱い・体質関係なしにして、洗い流さないでも良い温泉の見分け方でもっとも簡単なのは、混浴の温泉でタオル巻きOKなところならほぼ洗い流さないでもOKです。
理由は非常に簡単で混浴でタオル巻きOKというところは本当の源泉かけ流しのところが多いからです。
というのも循環ろ過装置を使っているところは装置の関係でタオルの繊維が問題なので使って欲しくないからです。
カロリーと水分をとってから温泉には入るべき?
これは本当です。旅館に行くとお茶菓子とお茶を用意してくれるところがありますよね。そのお茶とお茶菓子はそのためにも用意しているところもあります。
適度なカロリーと水分を補給して入ることで低血糖を招かいないようにもしている訳なので、空腹状態、喉が乾いた状態では入らないようにしましょう。
最初に身体は洗わない?
体質によっては確かに洗わない方が良い場合もありますが、マナーとして洗いましょうよ。もちろん洗えないところもあるのでその時は掛け湯で下半身の前と後ろくらいはきちんと流しましょう。
特に多くの人が訪れる温泉施設の場合、他人の大腸菌で実は健康被害になる場合も考えられます。
よく考えてください。身体は洗わない方が良いということを真に受けて汚いのに掛け湯だけで入る人が多い循環ろ過の温泉施設を・・・・
身体をあまり洗わないで入りたいのなら、露天風呂付き客室でも泊まってくださいと思います。
もちろん中には身体を洗うことも出来ない温泉もあります。その場合は掛け湯だけはしっかりとして下さい。ただそういう温泉は循環ろ過を行っていない本当の源泉かけ流しが多いのでお湯が新鮮で綺麗な場合も多いので比較的安心して入れます。
長湯はしない?
長湯はせずに最初は5分から10分というのはよく聞く話ですがこれも温泉によって異なります。ただしお湯に長く入っているということはそれだけ身体に負担をかけていることに間違いは無いので体力の無い方が長湯をすると凄く疲れることがあります。
長く入った方が良い温泉もありますがそれは自分の体力や体調、体質を考えて行うようにしてください。
また汗をかく温度の温泉は水分が失われていくので水分補給が必要になることも忘れずに。
温泉の入り方はあくまでも自分次第
温泉の入り方はあくまでも自分次第です。絶対的に「温泉の正しい入り方」なんてありません。あくまでも体質や体調、温泉によります。
温泉で美容効果をあげたいのであれば自分に適した温泉を見つけて定期的に入ることです。アレルギーテストを散々行っている化粧品でも合う合わないがあるのに、アレルギーテストをせずに入る温泉で合う合わないが無いと考えることが間違いです。
化粧品は恐らく自分にあったものを見つけるまで何回か変更したと思います(男なんで細かいことは解りませんが)。それと同じで自分にあった温泉を見つけなければ本当の意味で美容効果を高めることは出来ません。
なお、お湯に使って新陳代謝を活発にすることそのものが美容効果を高めることになりますし、転地療養で気分をリフレッシュさせることも結果として美容効果を高めることに繋がります。
美容効果を高めることを考えるよりも温泉に行ったら温泉を楽しむということが一番美容効果を高めることになるかもしれません。