リクルートのギャザリーには著作権を守る仕組みも記事をチェックする仕組みも無いことが問題
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なお、ちょっと黒い鈴木はnoteをご覧ください。
なぜ似非キュレーションサイト*1でライターが平気で著作権侵害を行うのか?
その理由はキュレーションメディア側に大いにあります。
それは著作権侵害を助長する仕組みを構築しているからです。
今回、リクルートが行っている似非キュレーションサイト「ギャザリー」を例に説明していきます。
上記画像は今も(2016年12月10日18時現在)ギャザリーで無断転載されている画像です。
なお本文で使用している画像の多くはギャザリーから引用しています。
まとめならギャザリー | 日常を充実させたい。キュレーションマガジン
ユーザー登録は簡単
ギャザリーではライターが書いた記事の閲覧数に応じて報酬がもらえます。
報酬がもらえるので、ライターになるのは難しいか?と言えば至極簡単でリクルートID(じゃらん等のID)を持っていれば2分足らずでライターとして記事が書けるようになります。
リクルートIDを持って無くてもID発行なので早い人なら5分くらいでIDの発行は可能です。
まさか報酬が得られるライターに5分でなれるなんて凄い時代になったものです。
なおライター登録をする際に
- リクルートID規約
- プライバシーポリシー
- ギャザリー利用規約
に同意してユーザー登録を行うようにしますが、例えばここでギャザリー利用規約を見てみましょう。
フォントサイズは13pxとなっており、非常に読みにくくなっています(2016年12月10日16時現在)。
なお一般的なブログのフォントサイズは16px以上となっていることが多いです。
コンテンツの作成
次にコンテンツの作成に入っていきますが、これも非常に簡単です。
なお上部には注意事項が赤文字で表示されています。でも著作権侵害についてのことは書かれていません。
テキストや文章、動画等を組み込めるようになっているのでが、画像をどのように入れるかと言えば検索で見つけることが出来ます。
上記の図の通り、一番上の部分でどこから画像を検索するか選ぶことが出来ます。上部でモザイクをかけてあるのはリクルートのサービス名です。画像の多さで言えばGoogleの画像検索が一番ですので、そこで今回Googleの画像検索を選んで「角館 桜 ライトアップ」というキーワードで検索してみました。
そして上記の画像でモザイクの入っていない画像を選択して「まとめに追加」をクリックします。
すると書いているコンテンツに画像が掲載されます。
なおここまで一切著作権侵害をしていないか促す文言は出てきていません。
つまりリクルートのギャザリーは画像の転載元のブログやメディアには一切アクセスせずに画像を取得出来るようになっています。
というよりもどこから画像を持ってきているかを知る手段は「まとめに追加」をクリックした後に「出典:◯◯」と表示されるのでその時点でようやく分かるようになっています。
だから画像の出典元であるブログやメディアが無断転載禁止となっているのかどうか確認しないまま掲載する仕組みになっています。
本来なら企業として知的財産権の保護を謳っているのであれば、転載元のサイトを見るようにすべきですし注意喚起を行うべきですが、そういうことは一切なくむしろ盗用することの意識を下げるような仕組みになっている訳です。
なおモザイクをかけていない画像は僕が撮影したものであり著作権は僕にあるという点だけ述べておきます。
また過去にリクルート・ギャザリーに対して無断転載を指摘したサイト管理人のサイトは検索結果に出てきますが、転載出来ないようになっています。
でも、元々一般的なサイトにはフッタ部分にコピーライト表記があるため無断での転載は基本的にしてはいけません。
上記のようにCopyright©と書いてあるのを見たことがある方は多いと思います。
なお転載でも引用であれば無断で構いません。
ただし出典をつけるだけでは通常、引用にはならず引用要件というものを守る必要性があるので注意が必要です。
追記(2016年12月11日)
Copyrightの表記が無くても著作権は発生するというご指摘があったのですが、その通りです。すべての著作物に対して(有効期限はありますが)著作権は発生します。なお作られたものすべてに著作権は発生する訳では無いことも付け加えておきます。
話を続けます。
画像を入れてまとめ風の文言を入れてあとは右上にある「公開」をクリックすれば即時に書いた記事が投稿され誰もがギャザリーで記事を読めるようになります。
つまりリクルート側で記事の精査を全くしておらず、リクルートが運営しているメディアにも関わらずリクルート側で全くチェックをしてないことになり、例えばいい加減な医療情報でも投稿することが可能となっています。そして悪質なサイトへのリンクも張ることが出来るという状態となっています。
チェック体制の無いウェブメディア
あくまでも僕個人の見解ですが東証一部に上場している企業には社会的責任が伴っていると思います。
全く知らない企業であれば信用を得るのは大変ですが、東証一部に上場している企業ということであればそれだけでその会社を信用する人は少なからずいます。
リクルートホールディングスは持株会社ですが東証一部に上場しておりその配下にあるギャザリーを運営する「株式会社リクルートライフスタイル」にも当然社会的責任が発生すると考えます。
にも関わらず、リクルートが運営するギャザリーはリクルートという名前を使い一切編集やチェックをすることなく曖昧な情報を発信する仕組みを持ち、更に著作権侵害を助長する仕組みでライターに応募させ報酬を支払っている訳です。
しかし著作権侵害について無断転載されたサイト管理人が著作権侵害を指摘した場合はすべてライターの責任としています。
確かにライターにも責任はあります。
しかしライターに責任をすべて負わせるのであればライターをきちんと教育し著作権侵害を発生しない仕組みを作るべきです。
現実は著作権侵害を助長するシステムを上記で説明した通りリクルートは構築しています。
更にライター側に全く著作権についての啓蒙活動をしていません。というよりは啓蒙活動をする気が全く無いということは2~5分でライターを始められる仕組みをみればわかりますよね。
今回、リクルートはギャザリーを除く4サイトの閉鎖を行いました。
理由は「著作権の侵害及びその可能性がある事が判明した為」とされています。
一部サービスの非公開化のお知らせ | リクルートホールディングス - Recruit Holdings
であればギャザリーでも著作権の侵害及びその可能性があることは明白でなぜ閉鎖しないのか?という問題が出てきます。
おそらくはいろいろな権利関係が発生しているためだと思います。
リクルート・ギャザリーに望むこと
リクルート・ギャザリーに望むことは下記のものです。
- ギャザリーの即時非公開化
- 著作権侵害窓口の設置
- 著作権侵害の申請があり侵害が明白な場合は妥当な金額を支払う
- 再開にあたってはすべての記事のチェックを行う
- ライターに対して積極的に著作権について啓蒙活動を行う
- 画像を簡単に盗用出来るシステムを回収しサイトを確認出来る仕組みを構築する
前に書いた記事で金の亡者と思われたかもしれませんが別にお金が欲しい訳ではありません、いや厳密には欲しいですが別にお金がもらえなくても構いません。
言いたいことは1つ、きちんと権利を大切にして欲しいということだけです。
もちろんお金は今後このようなことをしないということを明確にするために権利者に対して知的財産権を守ると謳っている以上は支払うべきだと考えます。
おそらくリクルート内にも即座にギャザリーを閉鎖すべきと主張している人もいると思います。
もし会社としての良心が残っているのなら即座に非公開を行ってください。
最後に会員しか見られない情報を誰もが見られるネット上に公開することの是非は当然あります。僕も自分で書いたこの記事について問題があることは認識しています。
しかしそれ以上にネット上の知的財産権は保護されなければ健全な情報は生まれてこないと考えます。
今回のこの記事に対してリクルートが非公開情報を公開したことに対して訴えてきた場合は素直に認めますし、裁判を経て確定した賠償金額については支払います。
もちろん請求はされたくありませんけどね。
でもまずはリクルートがどれだけ著作権を侵害しているかを自ら認め、顧みることを切に願います。
*1:似非とつけている理由は別にキュレーションを行うことで新たな価値を何も生み出してないからです
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