種田山頭火をご存知だろうか?
季語や五・七・五と言った俳句の決まりにこだわらず、自らの思いをリズムに載せた自由律俳句で有名な廃人 俳人だ。
きっと種田山頭火の句を読んだ事がある人も多いかと思う。
先日、下記の記事を書いた
なんか、旅したい!という事で、都内-仙台往復で760円のバスをゲット - 鈴木です。
予想を遥かに超え、いろんな方に読んでもらえた。嬉しい限りだ。感謝m(__)m
旅をしたいと思うきっかけは、別の事だが、更に旅をしたいと思わせるのが、種田山頭火の俳句だ。
種田山頭火の有名な俳句
種田山頭火の俳句で有名なものと言えば、これらだろう。
*春陽堂 山頭火文庫「山頭火 句集(一)~(三)」より
分け入っても分け入っても青い山
どうしようもないわたしが歩いてゐる
蜘蛛は網張る私は私を肯定する
このあたりが有名なところだろうか。
他に、この俳句を読むとどうしようもなく旅に出たくなるものがある
さて、どちらへ行かう 風が吹く
この俳句を見ると、本当に旅に出たくて、たまらなくなる。
しかし、種田山頭火の生き方は、男として、いや人間として最悪なものだったと様々な本から知る事が出来る
種田 山頭火という生き方
夜逃げはするは、自殺未遂は数知れず、いろんなところに借金するし、いろんな事業はするけど失敗ばかりだし、元妻の家には居候するし、酒癖悪いし。
これだけ見れば、今でいうところのメンヘラのアル中のオッサンだ。
おまけに出家して行乞で7年間も西日本中心に放浪するし。
しかし、どこか憧れる生き方だ。
行乞:僧侶が乞食(こつじき)をして歩くこと。托鉢(たくはつ)。
*行乞 とは - コトバンク より
ほんとうに、どうしようもない、あんた(種田山頭火)が歩いてきた生き様を知れば知るほど、憧れる。
しかし、そんな生活も出来ないし、する勇気?もない。
種田山頭火と温泉
種田山頭火の俳句の中には、温泉で書いたものや、温泉や風呂を想像させるものが数多く存在する。
はじめてあうてはだか
よい湯から良い月へ出た
はだかではだかの子にたたかれてゐる
ちんぽこもおそそも湧いてあふれる湯
朝からはだかでとんぼがとまる
日影あふるゝ湯のなかのわが手わが足
はだかで話がはづみます
こういった俳句も温泉旅行に心を駆り立てる。
種田山頭火
すべってころんで山がひっそり
こんな俳句もある。1人で登山をしている人ならこの俳句の意味が解るだろう。この句の解釈は人それぞれだと思うが、なんか、この句が種田山頭火を表している句に自分では思える。
そして、もっとも種田山頭火を表している句がこれだと思う。
まっすぐな道でさみしい
この言葉を知っている人も多いかもしれない。種田山頭火を描いた漫画のタイトルでもある。
いわしげ孝の漫画はかなり好きだが、中でも物凄く好きな漫画だ。
でも、種田山頭火の俳句を読む場合、最初にこの漫画は読んでもらいたく無い。
それは、俳句の解釈を限定的にしてしまう事があるからだ。漫画は時に想像力の邪魔をする。情景が視覚的に認識出来てしまうために避けられない部分がある。
なので、最初は句集等、文字のみのものから読んでもらいたい。
私自身は、どこで見たか既に忘れてしまったが、どこかの温泉で書いてあったこの句
はじめてあうてはだか
を目にして気になって、種田山頭火を知って、句集を読み始めた。
こう書いていて、また旅に行きたくなった。

まっすぐな道でさみしい―種田山頭火外伝 (1) (モーニングKC (896))
- 作者: いわしげ孝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/07/23
- メディア: コミック
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (8件) を見る